池波正太郎『剣客商売』を読んでみた。
ワタシが利用する墨田区の図書館では、入り口に小さな本棚があって、館内整理のための処分本いわゆる「どうぞご自由にコーナー」があります。先日そこに、池波正太郎の『剣客商売 十番斬り』(新潮文庫)が置いてありました。
実はワタクシ、あまり時代物は読んできませんでした。
『浅草弾左衛門』や『車善七』を読むようになってようやく、少しは時代小説の幅を広げてみようと思ってはいますが、藤沢周平までが精いっぱい。みんなが大好き池波正太郎については未読だったのです。
で、家に持ち帰って読み始めました。
あれ? なかなかけっこう面白いじゃん。
上野、浅草、鳥越、深川、本所。よく知っている江戸の町が舞台なのも、読んでいて楽しい。
作者池波さんは、浅草生まれの浅草育ち。生れたのは待乳山聖天の近くで、浅草永住町、今の住所でいえば元浅草で育った下町っ子です。
でも、だとすると。。
塩見鮮一郎を読んできたワタクシとしては、待乳山の近くを流れる山谷堀の向う側、弾左衛門の屋敷がある「囲い内」、浅草新町(しんちょう)をどうしても思い浮かべてしまいます。
池波正太郎は、浅草新町のことをどこかで書いているのだろうか。
吉原は書いたに違いありませんが(まだ確認してませんが)、おはぐろどぶの向う岸にへばりつくように車善七の邸宅や溜(ため)があったことは書いたのかな。
気になります。
とりあえず、『剣客商売』の三巻まで読みましたが、出て来ません。
ぜんぶ読破はちとナンだし、ならば他力本願で、こんな本をぱらぱらとめくってみました。
以下は、アマゾンの説明。
『鬼平』は軽いから強い。
社会が個人を見捨てつつある今の日本には、池波正太郎が描く、「世間」というセーフティネットによって誰もが「自前」で生きていける社会が必要ではないか。池波作品の「自前の思想」を読み解く!
田中優子さんが、ときおりズバリと佐高を切り捨てるときがあって、小気味よい。
あっという間に読み終えましたが、浅草新町などに言及はなし。
やはり書かなかったのか。書けなかったのか。書く気はさらさらなかったのか。
次は鬼平を読んでみるか。。
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