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養老町の白山神社

養老の白山神社.jpg別所と俘囚.jpg
菊池山哉『別所と俘囚』復刻版、批評社、1996年、塩見鮮一郎解説

ブログの最初のページにも載せた白山神社の写真。
それについてなにも書かなかったので、今日から少し書いてみようと思います。

これは私の実家がある岐阜県養老郡養老町の小さな白山神社です。
関東では弾左衛門の影響から、エタ系の部落に広まったとされる白山神社。
しかし弾左衛門支配圏以外の部落にも多く見られるという指摘もあります。
祀られている菊理姫という神もそうですが、非常に謎の多い白山神社。

養老町には県内で最大の被差別部落があります。
しかしその中にあるのは多岐神社。
写真の白山神社は、多岐神社から牧田川を挟んで反対側、象鼻山という小さな小山のふもとにあります。

本筋からそれますが、この多岐神社もよくわからない。
ヤマトタケルが伊吹山の神にやられ「吾が足得歩まず、たぎらぎしくなりぬ」と言ってここで休憩したからとか、古代、多芸氏の支配した地域だからとか言われていますが、どうなんでしょう。
私は、養老の滝と関係あるのかな? などと思ったりします。
タキ→タギ→多岐
これもこじつけですけど。
ちなみに、養老の滝近くにある養老神社に祀られているのは菊理姫です。

じゃあこの白山神社は?
その問いに、すでに半世紀前、明確に答を出していた人がいました。
在野の郷土史家、歴史民俗学研究者、菊池山哉(1890~1966)です。

この人の本は、復刻版が批評社から数冊出ています。
その中で、塩見鮮一郎が解説を書いているのが、写真の『別所と俘囚』と『特殊部落の研究』と『五百年前の東京』の三冊。

この『別所と俘囚』という本。なかなか刺激的です。少なくとも私には衝撃でした。
解説を引用してみます。
※解説は『異形にされた人たち』(河出文庫)でも読めます。「別所と東光寺の魅力」


「《別所》こそが、エミシの俘囚を配置した場所なのである。
多くの学者がエミシについて調べていくうちに、俘囚の配流地に関心を寄せていくのとちがって、菊池山哉のほうは、日本の各地の被差別部落を歩いていて、《別所》にぶちあたるのである。」

エミシ!? 俘囚!? 驚きました。
そして山哉の本には、養老町の別所についての記述もありました。
そういえば養老町の白山神社は、「別庄」という地名の土地にあります。

白山神社のある象鼻山からは、伊吹山がよく見えます。
近くにはこのあたりの一の宮、南宮大社があります。
産鉄の神、金山彦命(カナヤマヒコノミコト)を祀ってますね。

続く

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コメント 1

佐々木義登

早速来たよ~!
面白そうなので楽しみに読ませてもらいます。
フェイスブックもやろうよ(^^♪
by 佐々木義登 (2013-07-04 19:25) 

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